最後の将軍

幕末を将軍慶喜サイドから語った物語。幕府からは水戸出身と嫌悪され、勤王志士からは過剰な期待を抱かれた孤独な人物。彼が天才で無ければ誤解で済んだのだろうが、事実天才だったのはある意味不幸だっただろうか。大局が見えすぎて周りとどうしても温度差が出来てしまう悲しさ。
大政奉還策を断腸の思いで選択したと思っていたけど、実際にはかなり早い段階で政権を返上する考えを持っていたのね。武家社会ではちょっと信じられないのだけど、黒船来襲以降の時勢の流れに思うところがあったのだろうかね。後世にどう評価されるかと言う事を非常に意識していたそうだし。