ペット・セマタリー

映画化もされている(題名は『ペット・セ"メ"タリー』)有名な作品だけど、見たことどころかあらすじも全く知らず。ペット用の墓地から次々と埋められた死体が這い出して人々を襲う、なんて話かと思ったら全然違いました。埋葬した者が黄泉返るという先住民の墓地に娘の愛猫を埋めたらその通りになった。が、その返ってきた猫は生前とはどこか違っていて…。そんな折りに息子がトラックに轢かれて死んでしまう。
全体的にゆっくりと話が進んでゆきます。その中で頻繁に語られる『死』とどう向き合うかと言う事。愛する者を失った時の悲しみと、使者が蘇生する墓地に魅せられた男の穏やかな狂気。人が異形の者に次々と襲われるという作品ではありませんが、物静かな恐怖をひしひしと感じます。そし誰も救われない結末。
まぁパスコーがなんでルイスに忠告をしてくれたのかとか、ゲージが完全な別物になったのかとか(これはベータマンの前例があるけど)、何故チャーチがゲージと協力したのとか、そもそも何でゲージがジャドとレーチェルを殺したのかとか、解決されない疑問が残るのはどうかなぁ。明示されなくてもある程度推測できる部分もあるけど。